●打ち上げ当日
8月29日(木) 薄曇り
夜中の1時半起床。客全員13人と民宿のおとうさん。
H-2Aロケットが組立棟から発射塔に移動するのを見に行く。
運転手は私。漁師のおとうさんは、明日は早朝から監視船に乗るので、代りの運転手を仰せつかった。
監視船は、ロケット打ち上げ場に不審な船が近づかないように見張る漁船。
「打ち上げは一番良く見えるが、素人が半日船に乗っているのは無理だよ」とおとうさん。(ほんとは種子島弁)
2時半。灯りに照らされたH-2Aがユックリユックリ移動する。500mを30分。
ロケットに見とれいると、時間がすぐに過ぎる。
3時過ぎ、民宿に帰って寝る。
本日の打ち上げは13時予定。
朝6時起床、車で4人、場所取りの椅子を並べに行くと、すでに10人ぐらいの人が待っている。
椅子に座って風に吹かれながら、朝日を浴びたH-2Aをボーと見ていると、あれれ30分経ってる。
何故か動きがないのに、時間を忘れさせる魅力がある。
朝飯を食べに引き上げる。
三脚を据え付けたカメラ青年を一人残してきたが、彼は打ち上げまでの10時間そこでねばることになる。(でも全然苦痛じゃなかったと彼)
10時、車で出かける。が、2人しか起きてこないぞ。(ブー)
人出は20人ぐらい。
11時。打ち上げ延期決定。13時から16時に。(今日中に上がるのなら文句なし)
11時半。民宿のおかあさんが、お弁当とスイカを持ってきてくれる。頂きま〜〜す。
13時、人出は50人ぐらいに。
13時半、つかれたので一人で民宿に戻る。
ヒッチハイク。電気やのお兄さん。
自分が納品した電線がロケットに使われているそうで、「仕事に戻るけど、4時にはまた見に来る」とソワソワ。
昼寝して元気に。15時、またヒッチハイク。小学校も先生と友人という若い女性2人の車。(ラッキー)
人出は200人に。
20分前、警備のおとうさんの漁船が沖合いに移動していく。
10分前、放水開始。
7分前、カウントダウン開始。
もう喋ってないと我慢できないような、ワクワクソワソワ。黙っていられない、みんな喋っている。
2分前、打ち上げをつげる花火が不発。(不吉な予感)
「5,4,3,2,1,0」。ゴゴゴーという爆音と、赤い炎。モクモク煙。
(うおおおおーーー)
(おおおおーーー)
(うーーーー)
(思わず涙がこぼれる)
(ちゃんと宇宙までいくんだぞ〜)
歓声も、バンザイもありません。みんな黙って空を見上げています。あんなデッカイ塊が宇宙まで飛んでいくのだと思うと、涙がウルウルと溢れてきます。
「人間ってスゴイね。日本ってスゴイね。なんか自分も頑張らなきゃ」と思いました。
16時半。撤収〜〜〜。
(南海荘の仲間で集合写真)
夜は、浜辺でバーベキュー。ビールはおとうさんの奢り!!
おとうさんもおかあさんも上機嫌。15人の客も上機嫌。
隣りでバーべキューをしている近所の人がいろいろ盛ってきてくれます。石鯛、ウニ、ビール。
酔っ払って浜辺に寝転ぶと、上弦の月が空にポッカリ。
(H-2A打ち上げを祝してのBBQ)
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