きっしい
ロケットH-UA打ち上げの旅

(2001年8月27日〜30日)

種子島にロケットH-UAの打ち上げを見に行きました。ほんと感動しました。



●東京→鹿児島

8月27日(月) 晴れ

 午前中のJASで鹿児島空港へ。
鹿児島→種子島の飛行機が打ち上げの為満席なので、船で行くことにする。
最初の打ち上げ予定の8月25日(土)の時は、飛行機、ホテルを予約したが全部キャンセル。
今回は、何も予約せずに出かける。

西郷隆盛終焉の地などを訪れながら、フェリーターミナル近くの「アーバンポートホテル鹿児島」泊。
部屋の窓からは正面にドドーンと桜島。


●鹿児島→種子島
 
8月28日(火) 晴れ

 6時起床。6時半出発。
7時30分発のジェットホイール「トッピー」に乗船、6000円。(ワーイ、窓際の席)。
 (トッピーは、種子島の言葉でトビウオのこと)

では、ここで種子島の位置を確認しましょう。鹿児島の南、屋久島の東隣り。
鹿児島空港からプロペラ機で40分。
鹿児島北港からトッピーで1時間35分。
 (長さは、礼文島の2倍ぐらい)

9時05分、西之表港入航。早速、観光案内所へ。
「えっ、ホテルもレンタカーも空いてないの!!」(ショック)
が、観光案内所のおかあさんの5軒目の電話問い合わせでやっと空いていたのが「民宿・南海荘」。(ヨカッタ)
 (帰りにお礼を言いに行った、観光案内所のおかあさん)

鉄砲館、種子島時尭(ときたか)像、サンパツ屋さんで髪を短く、「井元」でランチ。
サンパツ屋さんでは、昨年種子島にマクドナルドが出来るらしいという話で島民は盛りあがったが、結局出来なかった話などを聞く。

13時30分のバス。車内は、地元に人と、バックパックを背負った学生達で一杯。
乗車50分、野間バス停で下車。1030円。
バス停まで、ご主人夫婦に車で迎えに来てもらう。
車で、20分。民宿・南海荘は「千座の岩屋」の近く。
 (南海荘の外観・ガシュマルの木もあって南国ぽい)
 
 15時、先についていた4人のお客さんといっしょにおとうさんの車で観光に出発。
H2Aを打ち上げる「大崎射場」、宇宙科学技術館、鉄砲伝来の地・門倉岬を見学。
途中仲間が2人増える。親切なおとうさんが、今晩宿がないという学生2人を拾ってきた。
 (逆光なので暗いです)


●打ち上げ当日

8月29日(木) 薄曇り

 夜中の1時半起床。客全員13人と民宿のおとうさん。
H-2Aロケットが組立棟から発射塔に移動するのを見に行く。
運転手は私。漁師のおとうさんは、明日は早朝から監視船に乗るので、代りの運転手を仰せつかった。
監視船は、ロケット打ち上げ場に不審な船が近づかないように見張る漁船。
「打ち上げは一番良く見えるが、素人が半日船に乗っているのは無理だよ」とおとうさん。(ほんとは種子島弁)

2時半。灯りに照らされたH-2Aがユックリユックリ移動する。500mを30分。
ロケットに見とれいると、時間がすぐに過ぎる。
3時過ぎ、民宿に帰って寝る。

本日の打ち上げは13時予定。
朝6時起床、車で4人、場所取りの椅子を並べに行くと、すでに10人ぐらいの人が待っている。
椅子に座って風に吹かれながら、朝日を浴びたH-2Aをボーと見ていると、あれれ30分経ってる。
何故か動きがないのに、時間を忘れさせる魅力がある。
朝飯を食べに引き上げる。
三脚を据え付けたカメラ青年を一人残してきたが、彼は打ち上げまでの10時間そこでねばることになる。(でも全然苦痛じゃなかったと彼)
 

10時、車で出かける。が、2人しか起きてこないぞ。(ブー)
人出は20人ぐらい。
11時。打ち上げ延期決定。13時から16時に。(今日中に上がるのなら文句なし)
11時半。民宿のおかあさんが、お弁当とスイカを持ってきてくれる。頂きま〜〜す。
13時、人出は50人ぐらいに。

13時半、つかれたので一人で民宿に戻る。
ヒッチハイク。電気やのお兄さん。
自分が納品した電線がロケットに使われているそうで、「仕事に戻るけど、4時にはまた見に来る」とソワソワ。
昼寝して元気に。15時、またヒッチハイク。小学校も先生と友人という若い女性2人の車。(ラッキー)
人出は200人に。
20分前、警備のおとうさんの漁船が沖合いに移動していく。
10分前、放水開始。
7分前、カウントダウン開始。
もう喋ってないと我慢できないような、ワクワクソワソワ。黙っていられない、みんな喋っている。
2分前、打ち上げをつげる花火が不発。(不吉な予感)
「5,4,3,2,1,0」。ゴゴゴーという爆音と、赤い炎。モクモク煙。
 (うおおおおーーー)
 (おおおおーーー)
 (うーーーー)
 (思わず涙がこぼれる)
 (ちゃんと宇宙までいくんだぞ〜)

歓声も、バンザイもありません。みんな黙って空を見上げています。あんなデッカイ塊が宇宙まで飛んでいくのだと思うと、涙がウルウルと溢れてきます。
「人間ってスゴイね。日本ってスゴイね。なんか自分も頑張らなきゃ」と思いました。
16時半。撤収〜〜〜。
(南海荘の仲間で集合写真)

夜は、浜辺でバーベキュー。ビールはおとうさんの奢り!!
おとうさんもおかあさんも上機嫌。15人の客も上機嫌。
隣りでバーべキューをしている近所の人がいろいろ盛ってきてくれます。石鯛、ウニ、ビール。
酔っ払って浜辺に寝転ぶと、上弦の月が空にポッカリ。
(H-2A打ち上げを祝してのBBQ)


●種子島→東京

8月30日(金) 晴れ

5時52分。昨晩バーベキューをした浜辺で、種子島の夜明けを見る。
珊瑚のカケラをみっけ。


陽気で世話焼きの”南の島のおとうさん”ありがとう。
(小柄で色黒のおとうさん)

送迎のバン、バスを乗り継いで、9時30分のトッピーで種子島ともお別れ。
相部屋の京大志望の予備校生は言った、「感動しました。オレ明日から一生懸命勉強します」
彼は、将来NASAに入りたいという夢を持っている。
同宿の宇宙工学科の大学生2人は言った、「頑張って勉強しようと思いました」
帰りのバスの中の娘と2人で来たおばあちゃんは言った、「みんなで万歳しました。ほんと来てヨカッタ」

ロケットは、若者にも年配にも「夢と感動」を与えてくれました。
自分がその場でそれを実際に見れたことに、感謝。感謝☆
 



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