お出かけ日記(1998年6月)


6月に読んだ本いろいろ

大河の一滴 五木寛之著 幻冬舎 1429円

(印象に残った部分)
 それは、朝と夜、必ず足を洗うことです。たまたま旅先でやってみたところ、妙に気分がよく感じられたのをきっかけで、習慣になりました。しかも物理的に、ただ洗うのではなく、「おい、親指くん、きょうはくたびれただろう」などと話しかけながら、ゆっくりとていねいに洗ってやるのです。
 この話を瀬戸内寂聴さんにしたところ、「いいお話ですね。足の指が、どんなに喜ぶことでしょう」と、ほめてくださり、(略)

*いい話だ、私も真似をしよう。でも、他の部分では、この本にはあまり共感できなかった。



辺境・近境 村上春樹著 新潮社 1400円

(印象に残った部分)
「讃岐・超ディープうどん紀行」から
 朝っぱらから石の上に腰掛けてうどんをずるずるすすっていたりすると、だんだん「世の中なんかもうどうなってもかまうもんか」という気持ちになってくるから不思議である。僕は思うのだけれど、うどんという食べ物の中には、何かしら人間の知的欲望を摩耗させる要素が含まれているに違いない。

*まさに同感である。村上春樹の書くコミカルっぽい文章は、私は大好きである。でも、難しぶった文章は嫌いだ。

「辺境を旅する」から
 (略)アメリカ大陸を車で横断するのと、四国で一日三食、三日間ただただうどんを食べ続けるのと、いったいどっちが辺境なのかちょっとわからなくなってくるところがあります。むずかしい時代です。

*椎名誠の旅行記がつまらなくなってしまった今、村上春樹の今後にも期待したい。


イスラームの日常世界 片倉もとこ著 岩波新書 640円

(印象に残った部分)
 現代のムスリムたちはどういう人間観をもっているか。(略)それは、人間は、本来弱いものなのだという認識である。近代西洋文明がもっている「人間性強説」に対して「人間性弱説」といっていいものである。

*私にとってイスラームの考え方は大変興味深い。


イスラームとは何か? 小杉泰著 講談社現代新書 718円

(印象に残った部分)
 イスラームの語る神は唯一・絶対の存在であり、世界のすべてを創造した。それゆえ被造物は、その創造主があることを暗示する。クルアーンは言う−−天を見よ、大地を見よ、太陽を見よ、汝らはその創造の主を感じないか、と。夜空を仰いで月を見よ、満天の星を見よ。汝らはその背後にあるお方がわからないのか、と。




遠い海から来たCOO 景山民夫著 角川文庫 540円

(印象に残った部分)
 「(略)グリンピースの提唱するエコロジー三原則は知っているよ。人間というのが、けっして地球の支配者でも生物全体の中心的存在でもないといい認識が、エコロジーの基本思想だ。そして三原則とは、あらゆる地球上の生物はお互いに依存しあって生きていること。生物はそのおかれている環境の生態系が複雑であるほど安定した状態を維持できる、つまり、人間と猫とゴキブリだけの暮らしよりは、蟻や蝶や鳥たちや魚やイルカや鯨や、そして蛇ですら存在していた方が、種を保存しやすいこと。それに、地球という星のサイズは有限であり地球にエネルギーを与え続けてくれている太陽ですら有限な存在なのだから、すべての有限なる資源、有限なる環境を保護し、破壊をやめるべきであること。以上の三つだったと思う。」

*ハッピーエンドでよかったよかった。


商人あきんど 永六輔著 岩波新書 640円

(印象に残った部分)
 日本の大手広告代理店が、つい最近までバイブルにしていた本があります。
なんと、ヒットラーの『我が闘争』。
ヒットラーが宣伝が大好きだったことはわかりますが、その項目から主なものをピックアップすると……
@宣伝は大衆に対してのみおこない、知的階級には命令すればよい。
A大衆は女性的であり、感情と情緒に支えられる。
B大衆の感受性は狭い。理解力はないし、すぐ忘れる。
C大衆のなかに一人でも理解できない者がいたら、理解するまで繰り返せ。
その広告代理店はこのヒットラーの思想でCMをつくっていたんです。

*『職人』『芸人』『商人』の3部作を、全部読んだが、私は『職人』が一番共感出来る部分が多かった。やっぱり私は『職人』に向いているのだろう。

6月28日(日)晴れときどき雨

 世田谷美術館に”三星堆”を見に行った。今から4000千年前、長江上流の蜀にあった幻の文明の出土品。目玉の飛び出た奇妙な青銅製の仮面は幅1.5mと巨大。祭事用といわれる色々な出土物は、不思議な形をしていて
「うむむ」と頭を悩ましてしまう。
トルコライス



6月27日(土)晴れ

 10時から14時まで、草野球紅白戦。梅雨時なのに晴れは嬉しいが、気温32度は暑い。顔も手も日焼けで赤くなった。
トルコライス



6月24日(水)曇り

 毎週かならず見るTV番組がある。金曜日夜の「クレヨンしんちゃん」、日曜日朝の「雷波少年」、日曜日夜の「電波少年」である。その中の「雷波少年」の熱狂的巨人ファンで、巨人が4連勝すると食べれるメニューが「ラーメン+ライス+餃子+コンソメパンチ」である。コンソメパンチがなんのことが分からずにいたが、近所のコンビニで”ポテトチップス コンソメパンチ”を見つけた時の感激は大きかった。おもわず買ってかえって食べたが、私は薄塩味のほうが好きだ。
トルコライス



6月20日(土)雨のち曇り

 NHKの”堂々日本史”を見て興味を持ち、両国の江戸東京博物館に”伊能忠敬展”を見に行った。江戸東京博物館は国技館の隣りにある、スカイドン(←ウルトラマンに出てきた怪獣)みたいな建物です。(6月21日で終了しました)

 伊能忠敬は、江戸時代後期の頃、千葉県佐原市でお店のオーナーをしていました。50歳で引退した後、江戸に出て、天文とか測量の勉強をしました。そして、55歳から17年間かけて日本中を測量してまわり、日本地図を完成したのです。うーん、偉いなあ。私も50歳になって新しい勉強を始められる柔らかい頭を持ちたいな。
トルコライス
東京駅に移動して、東京ステーションギャラリーで”浮世絵に見る幕末・明治期の世相展”を見た。東京駅の赤れんがの建物を使った美術館です。右一番奥の部屋は、壁の赤れんががむき出しになっていて薄暗い、静かにしていると昔の音が聞こえて来そうで、私は好きです。

 色鮮やかな版画で、開港あとの関内の賑わいとか、新橋・横浜間の蒸気機関車とかが描かれています。歴史好きの私には、楽しいです。一番面白かったのは、明治時代の皇居の中の鳥瞰図。今の建物とは違って、京都御所の様な、木造の御殿が並んでいます。
トルコライス



6月14日(日)雨のち曇り

 さくらんぼも今が旬。田園調布駅前の果物屋さんで、一箱3800円のさくらんぼを買いました。ご贈答用の箱に入ってます。大粒な真っ赤なさくらんぼは直径2.5cm。横6列、縦5列、3段重ねの全90粒。柔らか目の皮を歯でプチと破ると、甘くてちょっとスッパイの味がジュワーの口の中に広がります。幸せ幸せ。7月になれば、私の一番好きな桃が旬。待ち遠しいですね。
トルコライス



6月13日(土)雨のち曇り

 雨の中での『新入社員歓迎ソフトボール大会』。朝8時集合に、5人集まっていた新人君達はエライエライ。1試合目は雨の中だったが、2試合目以降は、雨も上がり、総勢19名で楽しく遊びました。その後は、焼き肉屋で反省会。焼き肉たらふくと、中生ビール2杯、ご飯1杯、クッパ1杯、アンニンドーフを食べて、腹一杯。その後の、昼寝の気持ち良いことは最高。
(写真はずぶぬれの新人チームの皆さん)
トルコライス



6月9日(火)晴れ

飯田橋の”らーめんフジ”でトルコライス800円を食べた。トルコライスは長崎市のみで有名なご当地メニューだそうである。東京で食べれる店はわずかである。説明すると、チキンライスのような濃い味付けのケチャップライスの上に、千切りレタス、トンカツを載せ、上からトマトソースをかけたものである。実際のトルコには、このようなメニューはないそうである。



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