きっしい&頭脳パンのオムライスQ&A
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頭脳パン(2番弟子)のオムライスに関する素朴な疑問に、きっしい(師匠)が答えるコーナーです。
Q1. オムライスはなぜオムライスというのですか??(頭脳パン)
A. オムレツ(omelet(te))とライス(rice)が縮まって、オムライスになりました。
大正時代に日本で生まれた言葉です。だから外人さんに言っても通じません。(きっしい)
Q2. オムライスの定義は??
A.突詰めれば、「ご飯の上に、焼いた卵を載せるか包んであるかして、お皿の上に載せたもの」。
オムライスに似たものの、茶巾寿し、親子丼、天津飯、ナシゴレンとオムライスのどこが違うか考えてみましょう。
茶巾寿しは、中がお寿し。親子丼と天津飯は、丼に入っている。ナシゴレンは、上に載るのが目玉焼き。
Q3.オムライスを始めて出したお店は?
A.東京では、銀座の「煉瓦亭」。大阪では、「北極星」が、自分のところが元祖と名乗っています。
が、私は、大阪の「北極星」のオムライス説を採用します。
では、誕生秘話を、一席。
いつもいつもオムレツとライスを頼む常連客に、
店主が、ライスをオムレツで包んだ料理を作ったのが初めだそうです。
「これなんちゅう料理ですか??」という問いに、
「オムレツとライスやから、オムライス」と店主が答えたそうです。
大正14年にお店のメニューに載りました。
私が、大阪説を採用する理由は、
オムライスの発想、すなわち今まであるものを組み合わせて新しいものを作る発想は、
たこ焼きとか、お好み焼きを生み出した、大阪人の発想だと思うのです。
あと、茶巾寿しも関西の食べ物だしね。
Q4.オムライスにはつきもののケチャップ、日本で最初に作ったのは??
Q5. オムライスの種類は??
A.大まかに分けると、”正統オムライス”、”半熟オムライス”の2つです。
正統オムライスは、ケチャップライスを、薄焼きタマゴで包んで、上からケチャップをかけたもの。
半熟オムライスは、ケチャップライスの上に、トロトロのオムレツを乗せてパカッと割ったもの。大抵デミグラスソースがかかっている。
が、この他にも近頃は色々なタイプのオムライスがあります。
Q6.オムライスは外国にもあるの?
A.ありません。オムライスは日本生まれの料理です。
明治・大正時代に、日本のコックさん達が、ご飯に合う西洋料理を作ろうと、色々考えました。
そして生まれたのが、コロッケ、ライスカレー、ハヤシライス、チキンライスなどの洋食。オムライスもその仲間です。
Q7.じゃあ、オムレツは?
A.オムレツはフランス料理です。
世界遺産で有名なモンサンミッシェルには、元祖オムレツを名乗る店もあるそうです。
では、ここで”オムレツ誕生”話を一席。
昔々、フランスの王様が乗馬に出かけたそうです。散々走りまわったので、お腹がペコペコになって、ある村の家で食べ物を頼んだそうです。
家の主人は急いで、卵をフライパンでかき混ぜながら炒めて、王様に出しました。
王様はそれを食べて大満足。オム・レット(素早い男)と褒めたのが、オムレツという名前がついた初めだそうです。めでたし、めでたし。
Q8.洋食って何??
A.西洋料理の洋と、日本食の食を、くっつけて洋食といいました。
明治時代に日本に入ってきた西洋料理を、いかに日本の主食ご飯と合わせるかと考えて、
明治、大正、昭和のコックさん達が生み出した日本オリジナルの料理のことです。
Q9.一番値段の高いオムライスは??
A.東京では、本所吾妻橋の「レストラン吾妻」の”オムライス”3500円が一番高い。なんとランチタイムでも同じ値段。
隠しメニューだと、浅草の「レストラン大宮」の”トリュフのオムライス”3800円。要予約です。
大阪では、難波の「北極星」の”伊勢エビオムライス”4800円が一番高い。
Q10.一番有名なオムライス屋さんは??
A.東京だと、TV番組などで良く出てくる店は、
日本橋の「たいめいけん」。正統オムライスとタンポポオムライスの両方があります。
銀座の「煉瓦亭」。東京では元祖を名乗っています。
銀座の「資生堂パーラー」。モボモガの通ったお店です。現在、本店は改装中。
吾妻橋の「レストラン吾妻」。山崩れ型オムライスの元祖と名乗っています。
Q11.一番大きいオムライスは??
A.大盛りを除いた普通サイズでは、未食ですが、京都の「アローン」のオムライスが一番大きいそうです。
大盛りだと、体育会学生向けの早稲田の「源兵衛」はデッカイです。
大阪・天保山の「オーションビュー」には、”マクラ”という大盛りメニューがあります。
名前の通りマクラみたいにデッカイそうですよ。
Q12.変わりオムライスは??
A.銀座の「煉瓦亭」に”元祖オムライス”というメニューがあります。
これは、タマゴとライスが初めから混ざっている、ライスオムレツというものです。
生まれたのは明治時代で、立ったまま食べれる厨房のまかない料理として作ったのが、お客様に好評で、明治33年頃にメニューにのったそうです。
オムライス誕生説の一つでもあります。
Q13.オムライスの東西差は??
A.東西でオムライスに対する認識はけっこう違います。
関東では、オムライスはレストランで食べる一品料理で、値段も高めです。
関西では、定食屋にも喫茶店にもある普通の食べ物です。値段も安め。
なので、お昼ご飯に、「オムライスとキツネうどん」とか注文したりします。(笑)
Q14.オムライスの出てくるエッセイはありますか??
A.私の尊敬する東海林さだお先生の「食後のライスは大盛りで」(文春文庫448円)の中に、「オムライスよ!」というエッセイがあります。
”オムライスの横臥感”という例えは秀逸です。
※頭脳パンのお薦めは、
『トラブル・クッキング』群ようこ 集英社文庫 420円
の中の「もしかしてオムライス」
料理の苦手な作者がオムライス作りに奮闘する様子が
描かれていて、オムライスを作ったことのある人は
うんうん、そうなんだよねえとつい頷いてしまいます。
『僕と彼女のレストラン』秋元康 ハルキ文庫 460円
『レストラン吾妻』のオムライスが出てきます。
オムライスは気心のわかりあった人と食べるものだそうです。
他にもこの本には、「ハンバーグが好きな男性は保守的」だとか
面白いことが書いてあります。うどん、ラーメンも出てきますよ。
Q15.オムライスの出てくる映画はありますか??
A.伊丹十三監督の「タンポポ」(1985年)は、オムライスファンなら必見です。
この映画の中に登場したオムライスは、日本橋の「たいめいけん」にて「タンポポ・オムライス」としてメニューに加わっています。
当然、撮影現場もたいめいけんの厨房だったのです。
是非、レンタルビデオ屋さんで借りて見てください。絶対、オムライスとラーメンが食べたくなりますよ。(笑)
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